取組内容
“傾聴宣言”で男性管理職の接し方を改善
株式会社竹屋旅館が運営するホテルクエスト清水では、女性のお客様が前年比130%となるなど、女性からの支持が増加しています。
その理由のひとつが、女性社員のプロジェクトチーム考案の朝食メニューや宿泊プラン。このプロジェクトをスムーズに遂行できたのは、男性管理職が中心となって実行した“傾聴”が大きく関係しています。
“傾聴”を取り入れたきっかけは、男性管理職向けの研修です。当ホテルはビジネス目的の男性のお客様が多く、従業員も7割が男性でした。しかし、働く女性が増えたことから女性のビジネスでの利用等、女性のお客様の利用が多くなり、それに合わせて女性社員を積極的に採用しました。
ところが、女性社員が増えるにつれ、考え方の違いなどから男性社員との間に距離ができてしまいました。そのため、はじめは女性社員向けの研修を行いましたが、あまり成果があらわれず、会社のリーダーから変えていこうと男性管理職向けの研修を実施。
その研修の中で“教えること”ではなく“話を聴くこと”が特に重要だと感じ、管理職の社員の接し方を変えることにしました。
とはいえ、突然上司の接し方が変わると部下も驚くかもしれませんし、上司も急に接し方を変えるのは気恥ずかしい面もあるかもしれないと考えました。そこで社長自ら、社員全員に“傾聴宣言”をしました。会社として管理職の方針を社員に伝えることによって、スムーズに接し方を変えていくことができ、これにより社員同士のコミュニケーションが潤滑になり、女性プロジェクトチームの成功につながりました。
「ドリームマップ」等を活用した、キャリアプランの見える化
管理職の社員が“傾聴”を行っていると、仕事の悩みは業務内容だけでなく、家庭やプライベートも関係していることがわかりました。
そこで、社員全員に自分のなりたい姿や状況をイメージした写真を紙に貼ってもらい、キャリアプランの見える化を実施。見える化をすることで、それぞれの仕事や家庭との関係性がわかりやすくなり、仕事と家庭をどう両立していくかを前向きに考えることができるようになりました。
成果
“傾聴”により、社内のコミュニケーションが活性化。社員の意見が以前より多く出るようになりました。そこから、ビジネス利用の女性向け宿泊プランが生まれました。フェイスパックやアイスクリームのサービスなど、女性ならではのアイデアを取り入れたこのプランは“しずおか女子きらっ☆ブランド”にも認定され、女性のお客様が前年比130%増となりました。
キャリアプランの見える化をして仕事や家庭との関係性が明確になったことにより、社員が仕事場である当ホテルを家族で利用する等、以前よりも会社と家族の関係が近くなりました。そのため、仕事に関して家族からの支持を得やすくなり、離職率が大幅に改善されました。
業種 | ホテル業全般(宿泊部門、飲食部門) |
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従業員数 | 35人(男性17人、女性18人) |
所在地 | 静岡市 |